天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース

デート??

「いらっしゃいませ」
威勢のいい声に迎えられ、繁華街の大衆居酒屋に入る。

案内されたのはテーブル席。
周囲はざわついていて、すでにできあがったサラリーマン達の姿も見える。

「大丈夫ですか?」
キョロキョロと周りを見ている彼女に声をかけてしまった。

きっと、こんな店には来たことがないんだろうな。
『大衆』なんて言葉が一番似合わない人。
それが目の前のお嬢様、爽子さんだと思うから。

しかし、
「とっても楽しいです」
まんざら嘘でもない表情で、笑いかける爽子さん。

あれ?
失敗したか?
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