天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
SIDE 泰介
消せない過去
新しいプロジェクトが始動したせいか、最近やたらと忙しい。
もちろんそれは仕事があるって事で、会社を経営する者としては感謝すべき事なんだが・・・
はー。
溜息が出てしまった。
「お疲れですね」
秘書をしてくれている弘子さんが、コーヒーを片手に声をかける。
「大丈夫。明日は休めるから」
今日は大阪泊まりのはずだったが、台風が心配で無理して帰ってきた。
お陰で明日は休みが取れる。
ここのところ爽子とも会えていなかったから、どこかへ出かけよう。
いい加減関係修復をしないとな。
10日ほど前、母さんが倒れたとの連絡を受けて俺と爽子は実家へ行った。
幸い母さんは転んで足をくじいただけで、たいしたことはなかった。
良かったと胸をなで下ろし、俺は母さんと爽子が穏やかに話しているのをほほえましく見ていた。
そこまでは問題なかった。
しかし、
次第に不機嫌になっていく爽子。
きっと原因は鉢合わせしてしまった夏輝だと思う。
夏輝が俺の元カノなのは、知っているはずだから。
いい気持ちでいられるはずはない。
そのくらいは俺にも理解できる。
でも、
唇をとがらせ黙り込み、声をかけてもろくに返事もしない。
自分の不機嫌を隠そうともしない。
爽子の態度がすごく子供じみて見えて、我慢できなかった。
つい、つい、
「もう少し大人の対応をしてくれ」と叱りつけてしまった。
もちろんそれは仕事があるって事で、会社を経営する者としては感謝すべき事なんだが・・・
はー。
溜息が出てしまった。
「お疲れですね」
秘書をしてくれている弘子さんが、コーヒーを片手に声をかける。
「大丈夫。明日は休めるから」
今日は大阪泊まりのはずだったが、台風が心配で無理して帰ってきた。
お陰で明日は休みが取れる。
ここのところ爽子とも会えていなかったから、どこかへ出かけよう。
いい加減関係修復をしないとな。
10日ほど前、母さんが倒れたとの連絡を受けて俺と爽子は実家へ行った。
幸い母さんは転んで足をくじいただけで、たいしたことはなかった。
良かったと胸をなで下ろし、俺は母さんと爽子が穏やかに話しているのをほほえましく見ていた。
そこまでは問題なかった。
しかし、
次第に不機嫌になっていく爽子。
きっと原因は鉢合わせしてしまった夏輝だと思う。
夏輝が俺の元カノなのは、知っているはずだから。
いい気持ちでいられるはずはない。
そのくらいは俺にも理解できる。
でも、
唇をとがらせ黙り込み、声をかけてもろくに返事もしない。
自分の不機嫌を隠そうともしない。
爽子の態度がすごく子供じみて見えて、我慢できなかった。
つい、つい、
「もう少し大人の対応をしてくれ」と叱りつけてしまった。