天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
『おかけになった電話番号は・・・』

ったく。
昨日の晩から、爽子の電話がつながらない。
家にかけてみようとも思ったけれど、ご両親に無駄な心配をかけるようでできなかった。

ウワァー。
欠伸をして伸びをする。

午前6時半。
俺は爽子の家の前に車を止めていた。

「一体どこにいるんだか」

おとなしく家に帰ったのなら、あと1時間もすれば出て来るはず。
もし外泊したのなら一度着替えに帰るだろう。
どちらにしても、ここにいれば爽子に会えるはずだ。

あの後日付が変わるまで一颯と飲み、自宅に帰っても3時間ほどしか眠れなかった。
目を閉じても浮かんでくるのは爽子のことで、早めに目が覚めてしまった。
結局夜明け前に車を出し、爽子に会いに来てしまったわけだ。
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