天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
ん?
道路の先から歩いてくる人影。
あれは・・・間違いない。
爽子だ。


「おかえり」

車の前に立つ俺の手前2メートルのところで、爽子の足が止まった。

着ている服は昨日のまま。
って事は、どこかに泊ったんだな。

「朝帰り?」

ピクンと、爽子が反応する。

「どこに泊ったの?」
「友達の所」

友達ねえ。
どこのどいつだと問い詰めたいのをグッとこらえる。

「ずっと、ここにいたの?」
「いや、夜明け前に来た」
「そう」

自分が聞いているくせに、目を合わせようとはしない爽子。

「一颯から、聞いたよ」

「え?」
初めて、爽子が俺を見た。

随分疲れた顔だ。
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