天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「弱いくせに、すぐ酔っ払うくせに、1人で飲みに出るな。警戒心がなさ過ぎるんだ」

「・・・」
だんだん爽子の表情が変わっていく。

夕べ、家に帰ってから考えてみた。
一体俺は何に怒っているのか。
一颯と爽子の過去?もちろん、いい気分ではない。
隠されていたこと?それもある。「知り合いなのよ」と言ってくれれば、それですんだんだ。
でも、俺がキレたのは昨日の2人。
親しげな2人に、理性がとんでしまった。

「ただ、飲んでいただけよ」
「はあ?」
「偶然再会して、お酒を飲んだ。それだけ」
何がいけないのと、不満そうな顔。

あれ、爽子ってこんな顔する子だったか?
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