天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「モデルさんは入りまーす」

撮影も3組目。
時刻も、すでに夕方になろうとしている。

「よろしくお願いします」

ん?
聞いたことのある声。

「ナツキちゃん、久しぶりだね」
カメラマンさんが話しかける。
「お久しぶりです」
夏輝さんの方もにこやかに答えている。

私はこの場から逃げ出したかった。
でも、
レフ板を持たされていて動くこともできない。

「爽子ちゃん、もう少し角度を上げて」
「は、はい」

ナツキさんは一切私の方を見ることもなく、自分の世界を作っていく。

「さすが海外で活躍していただけあって貫禄が違うね」
スタッフのつぶやき。

確かに今までのモデルとは、一味違う。
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