天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「私ね、モデルになると決めたときにお酒も甘い物も食べないと決心したの。毎日必ず1時間は運動をするし、眠る2時間前から何も口にしない。そんな生活を6年も続けているわ」

すごーい。
私には絶対無理。

「強いんですね」
思わず漏れた言葉。

よほど精神力の強い人でなければ、続かない思う。

「そんなことないわ。私はただ、泰介に負けたくなかった。隣に立つにふさわしい女性になりたかった」

「・・・」
何も言えない。

やっぱり、夏輝さんは今でも泰介が好きなんだ。

私なんかよりずっと大人で、
美人で、
かっこよくて、
私とでは人としての器が違う。
勝てるわけないのに・・・

ヤダ、私泣きそう。
泣きたくなんてないのに。

私はグラスを置くと、1人逃げ出してしまった。
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