天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「泰介さん」
お母さんが心配そうに間に入る。

けれど俺も引けなかった。
今回の件、原因は俺にもある。
でも行動を起こし、心配をかけたのは爽子だ。
まずはそのことを謝るべきなんだ。

「ご両親に謝りなさい」
「・・・」
「爽子っ」
大きな声を出してしまった。

「・・・心配かけて、ごめんなさい」
俺に叩かれ赤くなった頬に手を当てながら、爽子は謝った。

そして泣き出した。


やっぱり女性の涙は苦手だ。
どうしたらいいかわからない。
困り果てている俺に、
「田島くん、話はまた後日にしよう。爽子ももう逃げ出さないと思うから」
お父さんの言葉で、俺は高杉邸を後にした。
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