天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース

未来に向けて

数日後俺は爽子を呼び出した。

場所は会社近くのイタリアンレストラン。
一度、爽子と来た店だ。


店の奥の席に案内され、座った瞬間、
「今日はこの席なの?」
爽子が首をかしげる。

そういえば、ここは商談の時に使う席だとこの間話した。

「今日は聞いてもらいたい話があるからね」
もう、逃す気はない。

とりあえずお勧めのコースを注文し、「話があるから少し待って欲しい」と人払いをした。

「話って何?」
「うん。この間の事。・・・叩いたりしてすまなかった」
俺はちゃんと頭を下げた。

「違うわ、悪いのは私の方」
既に目をウルウルさせている。

「夏輝に、会ったらしいね」
「えっ」
爽子の表情が固まった。
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