天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「撮影会で会ったらしいって、お父さんから聞いたんだ」

「パパが?」
驚いた顔。

「お父さんも心配なんだよ」
「そうよね」

「夏輝は何を言ったんだ?」
「・・・」
爽子は黙ってしまった。


「夏輝とは以前付き合っていた。一緒に暮らしていた時期もある。でも、6年前に別れたんだ。それからは年に1度会う程度だった」

「織姫と彦星みたいね」

はあ?
この状況でその発想がすごい。

「違うよ。俺たちは6年前に終わったんだ」

「でも夏輝さんは今でも泰介が好きだわ」

「それは・・・」
否定できない。

「会社を起こすとき、夏輝と一颯に助けてもらった。2人がいなかったら今の俺はない。恋愛感情は別にして、夏輝には返し切れない恩を感じている」

「でも、」
そこで、爽子の言葉が止まった。
「ん?何?」

「夏輝さんの方は今でも泰介が好きなのよ」

「爽子」
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