天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
パパもママも無事で良かったと喜んでくれるけれど、私は不満。
だまされたようで気分が悪い。

もちろん自分が悪いことはわかっていて、つい甘えてしまった。
今までこうやって私はパパとママに甘やかされてきた。

しかし、
ゆっくりと近づいてくる泰介。

すごく怒っている。
それは私にもわかった。

パンッ。
頬から響く、乾いた音。
一瞬何が起こったのか理解できなかった。

キーンと耳鳴りがした。
どうやら、私は泰介に叩かれたらしい。

「いい加減にしろ。連絡先も言わず無断外泊をしたのはお前だろ。まずそのことを謝れ」
怒りの表情を隠すこともなく、泰介が真っ直ぐに見つめている。

私は黙り込んでしまった。
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