天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
一週間後、信号無視の車に追突された泰介さんは病院へ救急搬送。

病院からの電話をたまたま受けた私は病院へ向かった。

途中事故現場を通り、グチャグチャになった泰介さんの車を見た途端、震えが止まらなかった。

病院へ着いても、まだ意識が戻らないからと待合で待つことしかできない。
ただ時間だけが過ぎていく中で、
もしも、泰介さんに何かあったらどうしようと思って涙が溢れた。

そして、久しぶりに事故の記憶がよみがえった。
もう２度と思い出したくないはずなのに・・・

「田島さん。意識が戻りましたので、どうぞ」
看護師さんに声をかけられ、涙を拭いてから病室へと向かう。

大きな怪我もなく、元気そうな泰介さん。
すぐにでも起き上がろうとするのを
「ダメです。2時間以上意識がなかったんですよ。ちゃんと診てもらってからでないと、動いたらいけません」
強い言葉で止めてしまった。

事故の怖さはあった者でないとわからない。
その思いを伝えたくて、私は事故の傷跡を見せた。

泰介さんは、
そっと抱きしめてくれた。


幸い泰介さんは軽症で、翌日には退院。
すぐに仕事にも戻ることができた。

この日を境に、私たちの距離が少し縮まった。
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