天然お嬢様の恋はどこまでもマイペース
「入ってもいいですか?」
子供が目当てのおもちゃを見つけたような、満面の笑みで言われ、
「はい。どうぞ」
俺もニコニコしてしまった。


「うわー、かわいい」
すでに俺のことなんて眼中になくなった爽子さん。
1人夢中になって物色している。


しばらくして、爽子さんがピンクのマスコットを抱えて帰ってきた。

「それってゾウ?・・・買うの?」
「ええ。探していたんです」
探してって・・・
「ピンクの、ゾウを?」
「ハイ。私って、名前が爽子なので小さい頃はゾウ子って呼ばれていたんです。それに、好きな色はピンクだから、ピンクのゾウ」

へー。なるほど。

「よく見たら、かわいい・・・かな?良かったらプレゼントしますよ」
としか言えなかった。
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