絵本彼氏と年上の私。
ギラギラとした瞳にいつもより鋭い視線、そして熱い体温と、余裕がないしゃべり方。
目の前の恋人が、大人の男の人で、自分を求めてくれているというのが、ありありとわかった。
もちろん、今までもわかっていた。
けれど、白はいつだって落ち着いており、冷静だった。余裕がある白が今のように、自分の感情を表に出すことがなかなかなかったので、しずくは驚きながらも嬉しくなってしまう。
彼の新たな一面を知ることが出来たのだから。
「最近のしずくさんは、更に魅力的になっていて、我慢出来なくなっちゃうんです。………しずくさんは、ずるいです。」
「そ、そんな事言われても……。」
「だから、ご飯とか夜景とかはいいです。……。しずくさんを貰ってもいいですか?」
少し首を傾げて問いかけてくる白は、少年の姿ではなく立派な大人の男性で。
そんな彼が熱を持った視線で、可愛らしい事をしてくるので、しずくは心の中で「白くんの方がずるい!」と思ってしまった。
「…………私も白くんが欲しいよ。」
「しずくさん………ありがとうございます。」
「で、でも!!シャ、シャワーは浴びたい、です。」
「わかりました。じゃあ、シャワーを浴びるまで、たくさんキスしてからにしましょうか。」
「な、…………っっ!………白くん…………。」
抗議の声も、白に食べられてしまう。
白の今まででない深くて甘い口づけを堪能し、しずくはうっとりとした気持ちでそれに応えた。
そんなキスは、しずくが体の力が抜けて立てなくなるまで続いたのだった。