絵本彼氏と年上の私。
「今、仕事が忙しくて家が荒れてるので……見られるの恥ずかしいかなって思って。それでもいいのなら家に来て貰いたいです。しずくさんの手料理食べたいですし。」
「白くんがいいのなら行きたいな。片付けとかお洗濯とか手伝えるし。」
「………そんな!そこまでしてもらわなくても。」
「いいよ。白くんだって、よく私の製作の手伝いとかしてくれたじゃない。お互い様だよ。」
「ありがとうございます。」
白は少し悩んだ後「では、お願いします。」と言い車を動かした。
白が悩んでいたのは、本当に部屋が汚いからという理由なのだろうか。そんな風に感じながらも、気にしすぎだと思い直し白と今晩のメニューを決めながら白の家へと向かった。
白の家は、そこまで荒れているわけではなかった。いつも綺麗にしているためから、物が少し散乱しているだけだった。
けれど、片付けをしている時にちらりと見えた作業机は確かに荒れていた。いろいろなところに紙や資料が置かれていたし、画材も散乱していた。
白が仕事に行き詰まっているのがそれを見ただけでもわかった。
しずくは今日ぐらいは仕事の話をしないようにしようと思い、料理に取りかかった。
2人で相談した結果、今日はお鍋にしようと決まった。寒くなって来たので丁度いい料理だ。具材などを買い込み、しずくは料理をしていた。けれど鍋は煮込むだけ。その間に、しずくは作りおきの料理も作ることにしていた。きっと白は忙しくて自分で料理をする暇もないだろうと思ったのだ。実際、冷蔵庫にはほとんど食材が入ってなかったのだ。
しずくは、なるべく栄養バランスを考えて作るようにしていたけれど、そこまで詳しいわけではない。「少し勉強しようかな。」と思いながら、黙々と手を動かしていた。
数品の料理を作っている間に鍋料理はすでに完成していた。作りおきが完成した後、タッパーに入れていると、片付けを終えた白が台所へ顔を出した。