絵本彼氏と年上の私。
11話「悩みとアドバイス」
11話「悩みとアドバイス」
スランプに陥っている白の元に、更に彼を悩ませる原因が舞い込んできた。
それは1通の電話からだった。
「ゲーム雑誌の取材ですか?」
それは、『フェアリーワールドストーリズ』の担当者からだった。
キャラクターデザインの話かと思い少し重い気持ちで通話ボタンを押したので、少しホッとしてしまう。
『そうなんです。フェアリーワールドストーリズの新キャラが登場するという事で、私たちもいろんな媒体で紹介していくつもりなんです。そこで、さつき先生もインタビューをお願いしたくて。インタビュー自体は、キャラクターが完成してからになるんですが。』
「なるほど………。どういった内容になりますか?」
白は、前向きに検討しようと詳しく話を聞こうと思った。普段は、子育て中の親のための雑誌やネット情報サイト、本関連の雑誌などが多く、ゲーム系は初めてだった。
きっとキャラクターを産み出した時のエピソードなどだろうと思った。それぐらいならば、断る理由はないと思ったのだ。声を掛けてもらった仕事はなるべく受けたい、それが白の考えだった。
『もちろん、デザインしていたキャラクターの話とかこだわりとかですね。後、さつき先生がどうして妖精が好きなのかとか、ですかね。』
「そうですか。では………。」
『あと、学生の時に絵本王子と呼ばれていたという事も話してもらえれば。インタビューでは写真もお願いしたいと思っていて。』
「…………写真ですか………。」
受けようと思っていた気持ちが、その言葉で一転した。呼び名については、絶対に話してもらいたくないが、写真が更に難点だった。