絵本彼氏と年上の私。
12話「悲しさと虚しさの涙」
12話「悲しさと虚しさの涙」
☆☆☆
しずくは、スマホを見ては溜め息をつく日々が続いていた。
白からの連絡を待っているが、相変わらず彼からの連絡はなかった。
忙しい中でも、彼の連絡を待たない日はなかった。
彼の声も、言葉もない日は、付き合い始めてからここまでなかった。
数日、彼との関わりがなくなっただけで、自分がここまで落ち込むとは思っていなかった。
自分が彼を支えて、見守ろう。
そう思っていたのに、自分が落ち込んではダメだ。わかっているはずなのに、しずくは自分がどんなに彼に甘えていたのかがよくわかった。
「白くん…………。私は、『頑張って。』しか言えないのかな。」
そんな時だった。
しずくのスマホのバイブが鳴った。
画面には、白の名前が表示される。しずくは、胸がドキッとした。嬉しさと、そして妙な緊張感を感じながら、しずくはすぐに通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『あ………しずくさん。こんばんは、遅くにすみません。』
「ううん。大丈夫だよ。白くんの声聞けてよかった。」
『…………ごめんなさい。連絡出来なくて。』
電話口から聞こえる白の声は、とても弱々しいものだった。
しずくは、胸を締め付けられる思いだった。