絵本彼氏と年上の私。
そこからは、楽しい時間が過ぎていった。
今回は冬の動物のお話と、子ども達が大好きなサンタクロースの話だった。
そのうち1つは白が作った絵本だった。
子ども達は読み聞かせに慣れている子ばかりだったのか、集中して絵本に食い入るように見ていた。
時々、「あ、くまさん!」「サンタクロースだぁー!」などと、声を出す子どももおり、その度にしずくは子どもを見て笑顔で頷いて応えていた。
白の絵本も大人気で、子ども達は目をキラキラさせて見つめていた。この笑顔を白にも見せてあげたい。そんな風に思いながら、しずくは絵本を読み続けた。
あっという間に読み聞かせ会の時間は終わった。
「それでは、今日の読み聞かせの会はおしまいです。聞いてくれて、ありがとうございました。」
しずくは、そう挨拶をすると子どもや保護者、そしておばあさんから沢山の拍手を貰った。図書館にパチパチという拍手の温かい雰囲気が広まっていくのを感じた。
「もうおしまいなのー?」
「うん。ごめんね、また次の会も来てね。」
「お姉さん、また遊びに来てね。私に絵本読んでね。」
「うん、また遊びに来るね。」
読み聞かせ会が終わっても、キッズスペースに居た子どもに話しを掛けられて、なかなかその場から出ることが出来ずにいた。けれど、子ども達と関わる時間は楽しい。しずくは、子供が借りて帰る絵本を一緒に選んだり、絵本を見たりしながら、短い時間だか過ごしていたのだった。
図書館の窓から差し込む温かい太陽の光がキッズスペースに入り込んできた。
しずくは冬の昼間を、子ども達と共に穏やかに過ごせる事を幸せだなと思った。