vampire kiss
僕は、決行することにした。

エミリーの腕を掴んだまま、僕はパーティー会場に戻る。

「えっ?アーサーさん?」

エミリーは戸惑った様子だが、僕の腕を振りほどくことはできない。

パーティー会場は、相変わらず盛り上がっている。しかし、主役が現れたことでみんなの視線は僕らに向けられている。

僕は、ためらうことなく人間の姿から吸血鬼の姿に戻った。その刹那、楽しい雰囲気だったパーティーは、一瞬にして凍りつく。

誰もが怯えた目を僕に向ける。それは、僕に腕を捕らわれているエミリーもそうだ。

誰かが悲鳴を上げた。その刹那、誰もが悲鳴を上げ、パーティー会場から逃げようとする。しかし、僕の魔力でこのパーティー会場から誰も逃げられないようにしてある。村人は、全員この会場の中にいるのだ。

「エミリー、すぐに終わるからイイコで待っていてね」

僕はエミリーにそう笑いかける。エミリーの目は、恐怖で染まっていた。

エミリーが逃げないように、魔力を使って椅子に縛り付ける。人間には逃れることのできない拘束だ。
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