アンバランスな想い
変わらない関係

保健医 小泉瑛汰

『我が愛しの姫へ
今日は、俺の城には来てくれないの?』

2時間目の休み時間
瑛ちゃんから携帯メールがきた

…って瑛ちゃん、仕事をしなさいよ!

『保健室に用事はない』

『じゃ、俺の顔を見に来て』

『行きません』

『俺、格好良いよ
見に来る価値はあると思う
リボンつけて待ってるよん』

『待たなくて良い』

「最近のすみれって
携帯を気にするようになったね!
彼氏でもできた?」

親友の順子が笑って見てきた
私は携帯を鞄にしまうと
苦笑いを浮かべる

瑛ちゃんがメールを送ってくるから
返事をしないといけない

メールを無視すると…怒る

夜の機嫌が悪くなり
光ちゃんから
瑛ちゃんの機嫌を直すように頼まれる

お姉ちゃんと光ちゃんの交際を知ってから
瑛ちゃんからのアプローチが酷くなった


アプローチというより
独占欲っていうのかな…

ちょっと息苦しい


「あ!
もしかして松川先輩?」

「違うよ」

「だって助けに来たじゃん」

順子の言葉に反応した近くにいた女子が集まってきた

みんな
光ちゃんとの関係を知りたがった

久美先輩に呼び出された時
冗談で言った言葉を
順子は信じて

光ちゃんに助けを求めてしまった

素直な光ちゃんは
助けに来てくれたけど…

それが大袈裟な話となり

今では
私と光ちゃんが付き合っているとか

私が一歩的に
光ちゃんに付き纏っているとか

校内では
様々な噂と悪口が飛び交っていた

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