アンバランスな想い

「スーちゃんには
スーちゃんなりの
良いところはあるよ」

気持ちを読んだかのように
光ちゃんが笑顔で言ってくれた

光ちゃんのように
社交性があるわけじゃない
高校２年になって
すぐに生徒会長になった光ちゃんを
凄いと思った

医学部に進学した瑛ちゃんも
勉強している姿を目にしていなかったから
凄いと感じた

陰で頑張っていたのかもしれないけど
成績の良くない私にしたら
遠い人のようだった

お姉ちゃんも
ダイエットをしなくても
綺麗でスタイルも良くて

頑張らなくても
多くの人がお姉ちゃんのまわりいた
すごく羨ましかった

私の良いところって何だろう？

「瑛ちゃんにね
お姉ちゃんを見習えって言われたんだ

よく意味がわからなくて
苛々したけど

私って
可愛くないのかな」

「兄貴は
可愛いとか可愛くないとか
そういう見た目を言ったわけじゃないよ

マコ姉って
自由奔放に振舞っているように見えるけど

結構
気をつかって生きてるよ

他人が望んでいることを
瞬時に判断して

次の行動を考えてる

他人が喜ぶような言動を見抜いている

相手が甘えて欲しがっているって
気づけば
マコ姉は甘えるでしょ？

ま、兄貴は
スーちゃんに甘えてもらいたいんだよ

兄貴の前だけ
スーちゃんの素顔が見たいってことだよ」