アンバランスな想い
瑛ちゃんは嫌そうに話していた

そんな人には見えなかったけど
瑛ちゃんが話さないから
不安になってるんじゃないの?

「瑛ちゃん
しばらくここに来ないほうがいいよ」

居間のソファに座ったお姉ちゃんが
口を開いた

「おばさんの気持ち
察してあげなよ」

「俺はそういうの
好きじゃない

スミレもマコも
ちゃんとしてる

色眼鏡で見てるお袋が
許せない」

瑛ちゃんもお姉ちゃんも
何を話してるの?

二人で
何を理解し合ったの?

「おばさんはずっと海外にいたし
私たちのことは知らない

見た目だけで判断しても
悪くないよ」

「海外に行く前は
普通に付き合いがあったのにか?」

「人は変わるよ
だから
私たちの両親も
今じゃ、別々の生活をしてる」

「俺には
お袋の言い分が
理解できない」

「だからって一人で反発しても
その反動が
光ちゃんに行くだけだよ

おばさんには光ちゃんと瑛ちゃんしか
いないんだから

瑛ちゃんがしっかりしなくちゃ」

瑛ちゃんがすごく悔しそうな顔をした

「食いっぱなしで悪い
今日は帰る」

「しばらく来ちゃ
だめだよ」

お姉ちゃんはそう
瑛ちゃんの背中に言葉を投げた

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