アンバランスな想い
光ちゃんの受験が終わって
大学が決まったら

冴子さんは
旦那さんのいる海外に戻るのだろうか

そうしたら
光ちゃんと瑛ちゃんと

前みたいに
互いの家を行き来して
楽しい時間を過ごせるようになるのかな…

瑛ちゃんから
またメールが来るようになるのかな

「すみれ
また、考え事してるでしょう?」

順子が顔をのぞいてきた

放課後
いつものように
机をくっつけて
お菓子を食べた

何のお菓子を食べていたか

つきさっきのことなのに
覚えていない

「あ…なんだっけ?」

「だから
百合子の彼氏の男友達と
一緒に
どっかいこうって計画だよ」

「ああ…
試験休みにだっけ?」

「そうそう
クリスマス時期だしさ~

上手くいけば
私もすみれも彼氏ができるよ~」

順子が嬉しそうに声を上げる

試験が明日へと迫っている
学生が話す内容じゃないね

「彼氏か…
あんまり興味ないよ」

私の言葉に
順子が首をかしげた

「もしかして
生徒会長に振られた?」

「告ってもないのに
振られる私って悲しいでしょうが!」

「あ、いつものすみれの返答になった」

順子が嬉しそうに答えた
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