アンバランスな想い
「橘、張り切りすぎだぞ!
お前のパンツ見ても
俺、嬉しくねえし」

「パンツじゃないよ
スパッツです!
エロちび高校生」

「貧乳女に言われたくないね」

喧嘩の勢いにのって
体を起してみたけど

お姉ちゃんたちに顔を向けられなかった

「橘さん、大丈夫?」
お姉ちゃんが
何事もなかったように声をかけてきた

「…お前、鼻が擦り剥けてるぞ
格好わりぃ」

小川が指をさして笑う

受け身を取りながら
転べば、よかった…

「先生たちのラブいシーンを見て
張り切りすぎました」

私は乱れた髪を掻きながら
苦笑いを浮かべてみた

お姉ちゃんに視点を合わせて見るものの
瑛ちゃんの顔を見えてしまう

怖い顔をして
瑛ちゃんが私たちを見ていた

「ラブいシーンに見えた?」
お姉ちゃんが
瑛ちゃんの腕に絡みついた

お姉ちゃんらしい対応だ

でも瑛ちゃんは不満そう

「デートの邪魔をしたから
小泉先生が怒ってるよ」

小川がからかう

…が、瑛ちゃんの顔は崩れなかった

お姉ちゃんが腕を引っ張るが
瑛ちゃんは怒っていた

…というより
私を睨んでいた
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