アンバランスな想い
「怪我は鼻だけよ
どこも痛いところはないから!」

瑛ちゃんが車のドアを閉めたと
同時に
私は叫んだ

「俺に裸を見せたがらないくせに
簡単に
スカートの中を見せるんじゃねえ」

瑛ちゃんが怒鳴った

「はい
ごめんなさい」

私は頭をさげた
恥ずかしかったもん

瑛ちゃんが
驚いた顔をして
眉間に皺をよせた

何か言いたそうだけど
言葉が出ないみたいだ

「お姉ちゃんと瑛ちゃんが
言い争いしてるのが見えて
みんながからかいに行くって
言うから

まずいって思ったの
だから
喧嘩してる内容が聞こえる前に
二人に気付いてもらおうと思って」

私は頭をさげた

「マコに一歩的に怒られてたんだ
試験前に
すみれを動揺させたって

詫び入れろって
飯をおごる約束したんだが

店に入る前に
喧嘩になって…
そしたら
すみれが
派手に転ぶから」

「なんで詫びを
入れる相手が
お姉ちゃんなのさ」

「すみれにする前に
私に豪華な食事を!

…ってマコが言い張るから」

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