子猫と私の隠れ家
「す、すいまっせっんでしたアアア!!」
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「そんなに要らないならちょうだいよ。
あんたの人生、俺にくれよ」
そう言って笑った君には、
もう時間が無かった。
気まぐれでその手をとれば、
君はどうでもよかった色のない日々に、
少しずつ魔法をかけてくれた。
私はね、知ってるよ。
おどけた行動の裏に隠した、優しさも。
眩しいくらいの笑顔の下にある、涙も。
それでもいつも強く笑う、君が好きだ。
いつか君が眠りにつく日。
その日までに、私に何ができるだろう。
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大人になりたくないと言った私に、
小さな魔法を見せてくれた。
この手を引いて、
温かい夢の世界へ連れて行ってくれた。
おやすみ、ピーターパン
大人にならない君へ。
君という物語の続きを、今も私は待っている。
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「私、人を殺したの。
だからこれから逃げるつもり。君は?どうする?」
「それなら俺も、一緒に連れて行ってくれ」
教室の隅っこで、いつもひとりぼっちだった君と、
教室の真ん中で、いつもひとりぼっちだった俺。
2人でいれば、なんにも怖くない気がしたんだ。
あの夏、俺たちは幼い逃避行の中で、
ただ静かに恋をしたね。
あれから10年が経った、8月28日。
今日は、俺が初めて君に花を贈った日。
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