ヴァンパイア†KISS
「花恋。とにかく、これはもう決まったことだ。3日後、たくさんの方たちが花恋を祝福にやってくる。お前もパパの子ならわかるな?その人たちの祝福を無にするようなことは、この政財界全てに影響を与える浅倉家の娘として、絶対にしてはいけないことだ」

いつになく強い口調でわたしをいさめるパパの言葉をわたしはぼんやりと頭の外で聞いていた。

なんで……。

なんで突然結婚なの……?

――――こんなの、



おかしいよ―――!!!




わたしはそのまま無言のまま。

寮に帰ると何も考えられず、ただデュオに会いたい……と。

デュオの唇の熱さを感じたい、と。

首の刻印に触れながら、デュオの赤い果実の甘さを思い出し、舌がカラカラに乾くのを感じて涙した。

デュオ………。

わたしの誕生日は、あれからまた10日目。

あなたの刻印がなくなってしまう日……。

デュオ………!!

なんでもいい。



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