ヴァンパイア†KISS
瞳を開いたウルフガングの目に、かつて自分が愛した女性が艶っぽい表情で自分にキスをしている姿が映った。

「……クローディア!!」

ベッドからはね起きクローディアを突き放した。

一度ベッドの上に倒れたクローディアはゆっくりと起き上がると、赤のルージュの入った唇を色っぽく開いた。

クローディアは、裸だった。

彼女はその豊満で美しい体を揺らしながら、頭の上でまとめられている銀髪をバサっと解くと、ゆっくりとウルフガングににじり寄る。

「な……ぜだ?クローディア……!」

「わたしがほんとうはまだ、ウルフを愛しているって。心の中の欲望がわたしに告げるの。でもこの体はユーゴに支配されていた。彼にキスされてから、わたしの体は彼にしか感じることができなくなった。でも……!!」

クローディアはウルフガングのシャツを破ると、その胸に唇を押し付け、激しく愛撫を始める。

「や……めろ……。クローディア!!」

ウルフガングはクローディアを再び突き放すと、激しく呼吸を乱しながらその美しい銀髪を掻き毟った。

「私は……お前をもう、愛せない!愛していないんだ、クローディア!!」

ハッとした顔でウルフガングを見つめるクローディア。

彼女は乱れた銀髪を直すこともせずベッドから降り立ち上がると、苦しげにウルフガングを見下ろした。

「ウルフ。愛してなくてもいい。この体だけでも愛して。そうすればエクスタシーであなたはもっと強いヴァンパイアになれる。あなたは気づいてないかもしれないけど、とっくにユーゴを越えているのよ。だからわたしは今夜のあなたのワルツを見て興奮した。あなたのワルツは、わたしを欲情させたわ」

「……そんなはずは、ない……!」

「いいえ、その証拠にユーゴに刻印を刻まれているわたしが、あなたとのキスに欲情してるのよ。キスの刻印をされてもそれ以上に強いヴァンパイアから刻印を刻まれれば、その者はそのヴァンパイアのものになる。ウルフ、お願い。わたしをあなたのものにして……!」



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