ヴァンパイア†KISS
カルロは首から血を流し倒れながら、エマを想っていた。
(エマ……せめて君に……笑いかければよかった……)
意識を失いかけているカルロの耳に、
「カルロ―――!!」
ウルフガングの声が近づいてきて、彼を抱き上げた。
「カルロ!!しっかりしろ!!」
カルロは、この世で最後の涙を流し、初めて彼に笑いかけると言った。
「ウ……ルフ。あなたのように美しく、生きたかった……。あなたには……エマを愛する資格が……ある。たとえ、ヴァンパイア…で…も」
カルロは美しい顔に一すじの涙を流すと、ゆっくりと瞳を閉じ、綺麗な笑顔のまま、
………息絶えた。
「………!!」
カルロの涙をそっと拭うと、ウルフガングは唇の端にぐっと力をこめて苦しげに歪ませる。
「……クローディア!」
そのまま後ろを振り返りクローディアの手を取ったウルフガングの目の前で。
クローディアの手は灰のように崩れ去る。
体は徐々に黒色に染まっていき、腕から崩れていくとそのまま黒の灰の山と化した。
「………カルロ……クローディア……!」
ウルフガングは流せぬ涙に、もどかしさを感じながら。
一縷の希望にすがる気持ちで、自らの腕を噛むとそこから血を吸出し、それを口に含んだまま。
カルロの唇にくちづけた。
以前、子猫のエイダを甦らせたこの血。
まだ少年のカルロなら、この血で甦ることができるかもしれない……!!
……ポタリ……。
「やはり……だめか…」
唇から血を垂らしながらウルフガングは焦燥に駆られる。
ぴくりとも動かぬ少年をその腕に抱きしめながら。
(エマ……せめて君に……笑いかければよかった……)
意識を失いかけているカルロの耳に、
「カルロ―――!!」
ウルフガングの声が近づいてきて、彼を抱き上げた。
「カルロ!!しっかりしろ!!」
カルロは、この世で最後の涙を流し、初めて彼に笑いかけると言った。
「ウ……ルフ。あなたのように美しく、生きたかった……。あなたには……エマを愛する資格が……ある。たとえ、ヴァンパイア…で…も」
カルロは美しい顔に一すじの涙を流すと、ゆっくりと瞳を閉じ、綺麗な笑顔のまま、
………息絶えた。
「………!!」
カルロの涙をそっと拭うと、ウルフガングは唇の端にぐっと力をこめて苦しげに歪ませる。
「……クローディア!」
そのまま後ろを振り返りクローディアの手を取ったウルフガングの目の前で。
クローディアの手は灰のように崩れ去る。
体は徐々に黒色に染まっていき、腕から崩れていくとそのまま黒の灰の山と化した。
「………カルロ……クローディア……!」
ウルフガングは流せぬ涙に、もどかしさを感じながら。
一縷の希望にすがる気持ちで、自らの腕を噛むとそこから血を吸出し、それを口に含んだまま。
カルロの唇にくちづけた。
以前、子猫のエイダを甦らせたこの血。
まだ少年のカルロなら、この血で甦ることができるかもしれない……!!
……ポタリ……。
「やはり……だめか…」
唇から血を垂らしながらウルフガングは焦燥に駆られる。
ぴくりとも動かぬ少年をその腕に抱きしめながら。