ヴァンパイア†KISS
ウルフガングはキスができないもどかしさを埋めるように。

激しくエマを抱きしめると、修道着を1枚1枚剥ぎ取りながら、その雪のように白い肌をマリアの前に露にしていく。

ウルフガングの長い銀髪が零れるようにエマの白い胸に落ちていく。

エマはそれさえも感じるように「あ……あん……」と喘ぎ声をあげる。

ウルフガングは肌に持つモノが金糸の巻き毛だけになったエマの体を抱き上げると、桃のように咲く胸の突端に愛撫を繰り返し繰り返し行った。

溜まらずキスを求めようとしたエマの唇を大きな手の平で覆うと、そのままエマの中へと入って行く。

「…ん…ふ…うぅ!!」

「…ハ…ァ……!!」

エマは両目から大粒の涙を流した。

ウルフガングには、それが痛みからくる涙なのか、快感や喜びからくる涙なのかわからずに……。

二人は、愛し合ってから9年目のこの夜。




――――初めて、お互いの愛の深さを知った。




この誰よりも甘美な夜を教会の外から見守っていたカルロは、





その天使のように気高い笑みを絶やすことはなかった。




その夜に浮かぶ月のように―――。



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