ヴァンパイア†KISS
一気にまくし立てる様にママが亡くなってからのこの15年ほどの想いを吐き出したわたしは、ここでカクンとうな垂れるように首を落とした。
「ママ……!」
その瞬間、冷たくひんやりとしたエマの手が少しずつ熱を帯びていくように感じ、わたしは頭をあげた。
「カ…レ……ン」
苦しげに名を呼ぶその声にわたしの体はビクンと震えた。
声はママのものと違うはずなのに、エマの唇から発せられる声にママの少し高い声が重なるようにわたしの耳に入ってきた。
そして、エマは、ゆっくりと、その運命の碧の瞳を開いた。
「エマ様……!!」
カルロは歓喜の声を上げると、エマが起き上がろうとするのを助けるようにその体を抱き起こした。
棺おけの中に上半身を起こしたエマは100年の歳月をゆっくりと確かめるようにその視線を宙に舞わせると、ゆっくりとわたしを振り返った。
そして、100年ぶりのマリアのように気高い微笑みを見せると、
「カレン。待っていました。あなたの母は確かにわたしの中におります。そして、あなたに告げて欲しいと。『花恋、育ててあげられなくて、ごめんね。わたしは今でもあなたを愛しています。あなたは愛しいと思える人を見つけたなら、絶対に離してはいけない』と…」
そう言ってわたしを優しく抱きしめた。
「ママ……!」
その瞬間、冷たくひんやりとしたエマの手が少しずつ熱を帯びていくように感じ、わたしは頭をあげた。
「カ…レ……ン」
苦しげに名を呼ぶその声にわたしの体はビクンと震えた。
声はママのものと違うはずなのに、エマの唇から発せられる声にママの少し高い声が重なるようにわたしの耳に入ってきた。
そして、エマは、ゆっくりと、その運命の碧の瞳を開いた。
「エマ様……!!」
カルロは歓喜の声を上げると、エマが起き上がろうとするのを助けるようにその体を抱き起こした。
棺おけの中に上半身を起こしたエマは100年の歳月をゆっくりと確かめるようにその視線を宙に舞わせると、ゆっくりとわたしを振り返った。
そして、100年ぶりのマリアのように気高い微笑みを見せると、
「カレン。待っていました。あなたの母は確かにわたしの中におります。そして、あなたに告げて欲しいと。『花恋、育ててあげられなくて、ごめんね。わたしは今でもあなたを愛しています。あなたは愛しいと思える人を見つけたなら、絶対に離してはいけない』と…」
そう言ってわたしを優しく抱きしめた。