ヴァンパイア†KISS
刻印の消える時
会食が進む中、わたしとかずちゃんは来賓たちに囲まれて慌しい時を過ごしていた。
デュオとルシアのことが気になったけれど、彼らも来賓たちに別の場所で囲まれ神藤社長からいろんな人に紹介されているようだった。
デュオがかずちゃんの会社の養子になっていたなんて……。
デュオは何かをしようとしているんだろうか……?
いろいろ考えてもわからなくてため息をついているわたしにかずちゃんが手を差し伸べてきた。
「花恋。踊ろう」
かずちゃんは笑顔でわたしを会場の中央へとエスコートしていく。
「かずちゃん、待って!わたしワルツは全然踊れないの…!」
「大丈夫。僕がリードするから」
わたしたちが中央へと移動すると、会場はしんとなってこれから始まるだろうワルツのミュージックを待ち望んでいるのがわかった。
ヨハン・シュトラウスの名曲「春の声」が鳴り始める。
そのウィーンの春を描いた明るく爽やかな曲調はこの会場の全ての人々の心を浮き立たせるかのようで。
かずちゃんはそっとわたしの手を握ると、優しい笑顔でわたしの体を支えながらステップを踏み始めた。
5歳のころにパパと練習したワルツのステップを体で思い出しながら。
わたしはたどたどしい足取りでステップを踏んだ。
微笑ましいというように沸き起こる歓声。
わたしはほとんど音楽を聴く余裕もなく、ただかずちゃんのステップに合わせて踊る。
「花恋。幸せにするよ」
そう言って微笑んだかずちゃんの顔を見て、わたしの胸はズキンと痛んだ。
デュオとルシアのことが気になったけれど、彼らも来賓たちに別の場所で囲まれ神藤社長からいろんな人に紹介されているようだった。
デュオがかずちゃんの会社の養子になっていたなんて……。
デュオは何かをしようとしているんだろうか……?
いろいろ考えてもわからなくてため息をついているわたしにかずちゃんが手を差し伸べてきた。
「花恋。踊ろう」
かずちゃんは笑顔でわたしを会場の中央へとエスコートしていく。
「かずちゃん、待って!わたしワルツは全然踊れないの…!」
「大丈夫。僕がリードするから」
わたしたちが中央へと移動すると、会場はしんとなってこれから始まるだろうワルツのミュージックを待ち望んでいるのがわかった。
ヨハン・シュトラウスの名曲「春の声」が鳴り始める。
そのウィーンの春を描いた明るく爽やかな曲調はこの会場の全ての人々の心を浮き立たせるかのようで。
かずちゃんはそっとわたしの手を握ると、優しい笑顔でわたしの体を支えながらステップを踏み始めた。
5歳のころにパパと練習したワルツのステップを体で思い出しながら。
わたしはたどたどしい足取りでステップを踏んだ。
微笑ましいというように沸き起こる歓声。
わたしはほとんど音楽を聴く余裕もなく、ただかずちゃんのステップに合わせて踊る。
「花恋。幸せにするよ」
そう言って微笑んだかずちゃんの顔を見て、わたしの胸はズキンと痛んだ。