ヴァンパイア†KISS
「花恋……!」
わたしの名を呼ぶ声にはっと目覚めた。
気付くとかずちゃんがベッドの傍にいて、わたしを覗き込んでいた。
「疲れていたんだね。父さんが帰ってきたよ。夕食にしよう」
ダイニングルームはとても広く、アンティークな茶の大きなダイニングテーブルが真ん中にどんと置かれていて、照明も暗めで幻想的な演出がロマンチックな部屋だった。
そのテーブルのいわゆる上座には神藤社長が座っていた。
そしてその角を挟んで右隣にはかずちゃんが座り、わたしはかずちゃんのすぐ横の席に座った。
テーブルには給仕が次々と豪華な料理を運んできた。
「花恋さん。今夜はフランス料理やイタリア料理など私が各国で気に入った料理をいろいろと用意させました。これから家族として仲良くやっていくのですから、遠慮なく召し上がってください」
「ありがとうございます」
そう言って運ばれてくる料理を見ながらふとわたしの前の席と斜め向かえの席にも料理が用意されていることに気付いた。
この家にはわたしと神藤社長とかずちゃんしか住んでいないはずだった。
かずちゃんのお母様は亡くなっているし。
不思議に思い空席の料理について訊ねようとしたその時。
ダイニングルームの扉が開き、黒のシャツを着た男性と、黒に赤のバラの模様の入ったワンピースを着た女性が入ってくるのが見えた。
「花恋さん。改めて紹介しよう。私の養子となったデュオとルシアだ。今夜から二人もここで家族として暮らします。二人とは義理の兄弟ということになるかな。早く家族として二人を馴染ませたくてね。こういう形をとったが、花恋さんも和希も承知してくれるね?二人が結婚するまでの3ヶ月ほどだが、5人で仲良く暮らそうじゃないか。さ、二人とも座りなさい。食事にしよう」
………デュオと、ルシアも、ここで………!?
「…ありがとうございます。私もルシアもお招きに預かり、大変光栄に思っております。和希さん、カレンさんも……よろしく」
デュオは流れるように挨拶して一礼する。
そしてその顔を上げた瞬間。
そのバイオレットの瞳は、わたしを見つめていた………。
…………デュオ………こんなことって……!!
わたしの名を呼ぶ声にはっと目覚めた。
気付くとかずちゃんがベッドの傍にいて、わたしを覗き込んでいた。
「疲れていたんだね。父さんが帰ってきたよ。夕食にしよう」
ダイニングルームはとても広く、アンティークな茶の大きなダイニングテーブルが真ん中にどんと置かれていて、照明も暗めで幻想的な演出がロマンチックな部屋だった。
そのテーブルのいわゆる上座には神藤社長が座っていた。
そしてその角を挟んで右隣にはかずちゃんが座り、わたしはかずちゃんのすぐ横の席に座った。
テーブルには給仕が次々と豪華な料理を運んできた。
「花恋さん。今夜はフランス料理やイタリア料理など私が各国で気に入った料理をいろいろと用意させました。これから家族として仲良くやっていくのですから、遠慮なく召し上がってください」
「ありがとうございます」
そう言って運ばれてくる料理を見ながらふとわたしの前の席と斜め向かえの席にも料理が用意されていることに気付いた。
この家にはわたしと神藤社長とかずちゃんしか住んでいないはずだった。
かずちゃんのお母様は亡くなっているし。
不思議に思い空席の料理について訊ねようとしたその時。
ダイニングルームの扉が開き、黒のシャツを着た男性と、黒に赤のバラの模様の入ったワンピースを着た女性が入ってくるのが見えた。
「花恋さん。改めて紹介しよう。私の養子となったデュオとルシアだ。今夜から二人もここで家族として暮らします。二人とは義理の兄弟ということになるかな。早く家族として二人を馴染ませたくてね。こういう形をとったが、花恋さんも和希も承知してくれるね?二人が結婚するまでの3ヶ月ほどだが、5人で仲良く暮らそうじゃないか。さ、二人とも座りなさい。食事にしよう」
………デュオと、ルシアも、ここで………!?
「…ありがとうございます。私もルシアもお招きに預かり、大変光栄に思っております。和希さん、カレンさんも……よろしく」
デュオは流れるように挨拶して一礼する。
そしてその顔を上げた瞬間。
そのバイオレットの瞳は、わたしを見つめていた………。
…………デュオ………こんなことって……!!