ヴァンパイア†KISS
「カ、レン…?」

不思議そうにわたしを見つめるサラ。

口の中で、男の血とわたしの血が混ざり合い、太古からの遺伝子を溶け合わせるように、甘美で極上な快感がわたしの体を突き抜ける。

変だ……わたし。

血がこんなに甘いだなんて……!!

あの人はヴァンパイアだった。

わたしも、ヴァンパイアだというの……!!

男の言葉が甦る。

『黒髪のヴァンパイアなど、いないはず……。ウルフの子にしても、まだ生まれてはいまい……』

『お前とのキスは血のワインより極上だよ』

『私のキスを忘れるな。お前はいずれ私がいただく』


……忘れられるはずもない。

彼とのキスは、意識が飛びそうなほど。

自分を見失いそうなほどに。

――――死ぬほどの、快感だった!!!




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