ヴァンパイア†KISS
「カレン、具合が悪いみたいだけど、大丈夫?さっきも急に倒れたのが見えて、助けようとしたら銀髪の男の人がカレンを連れて行くのが見えたから追ってきたんだけど…」

そう言ってストールをわたしの首からかけようとしたサラは、ハッとした表情でわたしの首筋を凝視した。

「カレン……キスマークが」

「!?」

キスマーク……。

サラの見つめる部分を考えると、どうやら気を失っていた間に先ほどの男の唇で首筋にキスマークをつけられていたようだ。

焼けるように冷たかった首の部分に指で触れる。

首はまだ、熱を帯びているように火照っていた。


………刻印。


そんな言葉がふいに頭をよぎった。

ヴァンパイアは狙った獲物に、刻印を残していくのだろうか……。

一度で一気に獲物を刈り取らないのは、ヴァンパイアの習性……?

ゲームのように快感を楽しむように、獲物を弄ぶ。

狙った獲物を逃さないため、自分の獲物を他のヴァンパイアに取られないために。



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