ヴァンパイア†KISS

２つの血

その夜。

いつものようにわたしはダイニングルームに入った。

かずちゃんは優しくわたしの椅子を引いていつものかずちゃんの隣の席に座らせてくれる。

｢花恋、少し顔色悪いんじゃない？｣

かずちゃんが心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。

デュオとのことを考えすぎたせいかなんとなくめまいがしていたけど、

｢大丈夫、ちょっと貧血みたい｣

そう言って笑うとかずちゃんも｢そう…？ならいいけど…｣と心配げに眉をひそめた。

わたしの前の席にルシアの姿はなかった。

あんなことがあったあとだし、わたしと向かいあって食事するなんて嫌だよね…。

わたしが現れるまでは、ルシアはずっとデュオとうまくやっていたのに。

そう思うと、少し心が痛んだ。

そして少しして、デュオと神藤社長が入ってきた。

デュオは神藤社長となにごとか話ながら、ちらっとわたしを見るとそのまま自分の席についた。

ドキドキする…。

かずちゃんにはこんなにドキドキなんてしないのに。

デュオが傍にいるだけで、心臓が脈打つようだった。

デュオ………！

そのままわたしたちはいつものようにあまり会話もせず食事を始めた。

食事中もいつにもましてしんとしていて、わたしの心臓の音がデュオにも聴こえそうでますますドキドキした。

食事を終えたその時。

｢今夜はルシアはいないが、和希にもカレンさんにも大切な話があってね、このまま話してもよいかな？｣

神藤社長がおもむろにナイフを置くと全員を見回すように話し出した。





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