ヴァンパイア†KISS
「…な、な、なんでデュオがここで寝てるの!?」

「……だめ?」

真顔で答えるデュオにドキドキが止まらない。

「だ、だめっていうか、ここかずちゃんの家だし!」

わたしははっとして起き上がり自分の服装をチェックした。

き、昨日の夜のシャツとスカートのままだ。

特に乱れもなし……と。

デュオはベッドの上で頬杖をつきながら色っぽく笑う。

「脱がせたと思った?」

ぬ、脱がせたとか言わないで~!!

「昨夜、わたしあのまま寝ちゃったんだよね!?……な、なにもしてない、よね!?」

「して欲しかった?」

ボスっとわたしが投げた枕がデュオの顔に当たり、デュオは悲しげな顔をした。

「ひどいな、カレン。また発作が起きないように見ていてあげたのに」

「そ、そうなの…?」

デュオは起き上がると、下に落ちていた自分の黒のシャツを拾いあげて着た。

そしてそのままドアへと歩いていく。

「ま、待って!……わたし、死んじゃうのかな?ママと同じように20代で……」

デュオは立ち止まると、振り返らずに答えた。

「……私がさせないよ。お前に必要なら、私の血、全てくれてやる」

………デュオ………!!

「…デュオ…それから、わたしのこと抱けないのに……ほんとに……いい、の?」

不安だった。

デュオに抱かれることのできない自分が……。

「……不安か?」

デュオはわたしの気持ちを察したように背を向けたまま問いかける。

「……わたしのこと、抱きたいって……思う?」






「……抱きたいよ」






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