ヴァンパイア†KISS
かつてヴァンパイアたちのほとんどが集まっていた地。

ロンドン郊外。

この場所にまた戻ってくるなんて。

ロンドン郊外には、エマもカルロもいる。

それに、サラのお城もこの郊外にそびえ立っていた。

そしてその城の地下に、冷凍保存されたウルフが眠っている。

エマとウルフ……100年間お互いに眠りながら、こんなに近くにいたなんて。

……やっぱり二人の細い糸はしっかりと繋がっている。

わたしと……デュオの糸は……?

わたしは神藤社長が住む場所に提供してくれた社長の別荘である大きなお城を背に、デュオを振り返った。

降りしきる雪の中。

デュオは再びわたしに手を差し出して微笑む。

「ここが、私たちヴァンパイアの城だ」

大きな城がだんだんと近づいてくる。

サラのお城ほど大きくはないけれど、その古城はわたしたちヴァンパイアにはふさわしい場所のように思えた。

日本に匿われていたヴァンパイアたちは既にここに到着していると神藤社長は言った。

デュオも仲間のヴァンパイアたちをここに集めたと言う。

いずれ、サラの父親の会社であるキングストンと闘わなければならない時がくる。

デュオはそう思っているんだ。

……でも、何があっても。

わたしは、この手を離さない。

―――絶対に………!

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