ヴァンパイア†KISS
デュオの胸の中でわたしは泣き続ける。

その様子を見ていたブルースが近づいてくると、

「婚約の誓いの儀式を」

そう言ってバイオレットのバラをデュオに差し出した。

デュオはそのバラに口づけをする。

そして、エマやカルロ、50名ほどのヴァンパイアたちが見守る中。

デュオはわたしを引き寄せると、

わたしのドレスから少し覘く胸の谷間に、口づけをした。

「……デュ、デュオ……!」

慌てるわたしにブルースが囁く。

「高貴なヴァンパイアにしか許されないヴァンパイアの婚約の儀式です。ヴァンパイアキスで、その胸にバイオレットのバラの刻印を刻みます」

デュオはその麗しい銀髪をわたしの胸に落としながら、長い長いキスをする。

「…ぁ…ん…」

体中の熱が胸に集まったみたいにデュオの唇に反応していた。

デュオは唇を離すと、物憂げな瞳でわたしを見つめた。

自分の胸に、バイオレットのバラの形の刻印が浮き出ていた。

「カレン、妻になって欲しい。……私の愛は少し重いが、覚悟はあるか?」

デュオはそう言って艶っぽく微笑んだ。

「…ふ…それってどのくらい重いの?」

わたしは泣き笑いで問いかける。

「…そうだな。100年じゃ足りない。1000年たっても熱いキスをするくらいに」

「……少しじゃないじゃん。重すぎだよ」

わたしが笑いながらそう言うと、デュオはふっと微笑んでその麗しい瞳を細め、その艶やかな唇をわたしの唇に重ねた。

その瞬間、ワっという歓声が広間中に鳴り響いた。









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