ヴァンパイア†KISS

甦る牙

わたしとデュオの部屋は、城の最上階である5階よりも上にあった。

そこは塔になっていて、わたしたちの部屋は塔の形と同じく円形で天井も高く筒状になっていた。

細く長いたくさんの窓が部屋中を囲むように連なる。

窓からはミステリアスにわたしたちを照らす三日月の光。

大きなダブルベッドに座ったデュオが、魅惑的な瞳でわたしを誘う。

いつもと変わらない様子のデュオなのに、不安でたまらない。

「デュオ……体は?」

ベッドに座ったわたしにデュオは何も言わず口づけをする。

デュオ……キスで誤魔化さないで…。

「デュオ、体がつらいなら……いいんだよ。他の女性を抱いたって……!」

そう言いながら涙が出そうになるのを必死でこらえていた。

つらいけど……デュオの体が一番大事だ……!

デュオはわたしの瞳を覗き込むと、いつもの強気な瞳で答える。

「言ったろう?私の妻はカレンだ。他の女を抱く気はない」

……デュオ……!!


そのまま、わたしたちは、月の光に包まれるように身を寄せあって眠りに落ちていった。

デュオの美しい銀髪が頬にサラサラと落ちるのにさえ、愛しさを覚えながら……。





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