ヴァンパイア†KISS
「神藤社長…どうすればわたしはヴァンパイアになれるんですか?わたしをヴァンパイアにできるのはいったい誰なんですか?」

震える声で、縋り付きたい想いで神藤社長に問いかける。

デュオがベッドの上からわたしの頭にそっと手を置いた。

神藤社長は跪いてわたしと目線を合わせると、

「それを調べるために、君に近しいヴァンパイアたちの血を提供してほしい。私とドクターは帰ったらすぐに調べるつもりだ。誰なのかさえわかれば、君はすぐにでもヴァンパイアになれる。そしてヴァンパイアになれば君の血は完全にヴァンパイアのものだけになり、血の発作も起こらなくなるだろう。ウルフの心臓も治療できる」

「そして、デュオ兄さんに抱かれることもできる」

おもむろに開け放たれたドアの向こうに、シエルが立っていた。

「シエル!!」

シエルは優しい日なたのような微笑でわたしとデュオを交互に見つめる。

「僕も協力します。もちろん、カルロも母さんも、ブルースも…ね」

シエルの後ろからブルースが照れたように顔を覗かせた。

「ぼ、僕なんかが選ばれたはずはないですが…あはは」

ブルースが頭を掻く横でエマとカルロは楽しげに微笑んだ。

「エマもカルロもブルースも……ありがとう!」

わたしが喜びで涙するその横で。

神藤社長は苦々しげに微笑んだ。

「まったく。ヴァンパイアには秘密ごとは無駄だね。全部聞こえてしまっているのだから」

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