ヴァンパイア†KISS
「オズワルド!エマ様の幸福と微笑みは、この私が誰にも奪わせはしない!」
カルロだった。
カルロが遥か高みからわたしたちを見下ろすオズワルドを小さな体で必死に見上げていた。
その顔は、さっきまでの笑みを失い、胸の底から突き上げてくるような怒りをその表情全体で表していた。
キッと吊り上げられた眉。
怒りに震える唇からは、牙で噛んでしまったのか、赤い血が滴っていた。
その脇で、エイダが悲しげに鳴き声を上げる。
「許さない……許さない!!私はエマ様を傷つける全てを許さない!!あってはならないことなんだ…。エマ様が傷つけられるなんて、あってはならないことなんだ…!!」
……カルロ…!!
オズワルドはまるで子猫を見下すように冷たい一瞥をカルロにくれた。
「…そういえば、お前もウルフを愛する一人だったな。お前など猫みたいにちっぽけな命だが、それでもウルフを苦しめるには効果的だろう。その横にいる猫も100年前からお前たちの周りをうろちょろしていたような気がするが…?」
エイダが耳をピンと立てて固まったように立ち止まる。
オズワルドは携帯を階下へ放り投げると、その残された左目をカッと大きく見開いた。
オズワルドの体から彼の体と同じくらいの十字のバイオレットの光が放たれる。
その光は一直線にカルロたちに向かって龍のような速さで空を切って突き進む。
「カルロ!!」
叫ぶわたしよりも速く。
カルロはエイダを抱きしめると、エイダを庇うようにその光に背を向け跪いた。
「……カルロ―――――!!!」
カルロだった。
カルロが遥か高みからわたしたちを見下ろすオズワルドを小さな体で必死に見上げていた。
その顔は、さっきまでの笑みを失い、胸の底から突き上げてくるような怒りをその表情全体で表していた。
キッと吊り上げられた眉。
怒りに震える唇からは、牙で噛んでしまったのか、赤い血が滴っていた。
その脇で、エイダが悲しげに鳴き声を上げる。
「許さない……許さない!!私はエマ様を傷つける全てを許さない!!あってはならないことなんだ…。エマ様が傷つけられるなんて、あってはならないことなんだ…!!」
……カルロ…!!
オズワルドはまるで子猫を見下すように冷たい一瞥をカルロにくれた。
「…そういえば、お前もウルフを愛する一人だったな。お前など猫みたいにちっぽけな命だが、それでもウルフを苦しめるには効果的だろう。その横にいる猫も100年前からお前たちの周りをうろちょろしていたような気がするが…?」
エイダが耳をピンと立てて固まったように立ち止まる。
オズワルドは携帯を階下へ放り投げると、その残された左目をカッと大きく見開いた。
オズワルドの体から彼の体と同じくらいの十字のバイオレットの光が放たれる。
その光は一直線にカルロたちに向かって龍のような速さで空を切って突き進む。
「カルロ!!」
叫ぶわたしよりも速く。
カルロはエイダを抱きしめると、エイダを庇うようにその光に背を向け跪いた。
「……カルロ―――――!!!」