ヴァンパイア†KISS
デュオの胸の中でしゃくりあげるわたしの足元で、唐突に携帯の着信音がした。
ビクリと体を震わせるわたしに大丈夫だというようにデュオが頷いた。
デュオは腕を伸ばして落ちていた携帯を拾う。
まさか…オズワルドがまた…?
恐怖に胸を震わせながらわたしはデュオの手の中の携帯の着信を知らせる画面を見た。
今度は、サラではなかった。
『神藤社長』
その名前に少しほっとしつつ携帯の受信ボタンを押そうとしたわたしの手が小刻みに震える。
手が震えて携帯が取れないわたしに代わってデュオがゆっくりとボタンを押し耳に近づけた。
「…神藤社長ですか?」
デュオが慎重に相手を窺うように声を発する。
「ああ、デュオか?花恋さんも一緒かな?実は、急ぎ伝えたいことがあってね。他でもない、花恋さんをヴァンパイアにできる人物のことだ」
「……わかったんですか!?」
デュオの声のトーンが一段高くなる。
わたしは涙に濡れた瞳で見上げながら、デュオの持つ携帯から聞こえる神藤社長の声を聞いていた。
「カルロくんだよ。彼に血を吸ってもらえば、花恋さんはヴァンパイアになれる。どうだい?今すぐにでも実行できるだろう?」
カルロが……!?
「……社長。少し、遅かったかもしれません」
デュオは力なく携帯を耳から離した。
携帯の電波の向こうから微かに神藤社長の声が聞こえる。
「…どうした?どういうことだ、デュオ!?」
その声がだんだん遠くなっていく。
わたしは、そのまま、意識を失った。
ビクリと体を震わせるわたしに大丈夫だというようにデュオが頷いた。
デュオは腕を伸ばして落ちていた携帯を拾う。
まさか…オズワルドがまた…?
恐怖に胸を震わせながらわたしはデュオの手の中の携帯の着信を知らせる画面を見た。
今度は、サラではなかった。
『神藤社長』
その名前に少しほっとしつつ携帯の受信ボタンを押そうとしたわたしの手が小刻みに震える。
手が震えて携帯が取れないわたしに代わってデュオがゆっくりとボタンを押し耳に近づけた。
「…神藤社長ですか?」
デュオが慎重に相手を窺うように声を発する。
「ああ、デュオか?花恋さんも一緒かな?実は、急ぎ伝えたいことがあってね。他でもない、花恋さんをヴァンパイアにできる人物のことだ」
「……わかったんですか!?」
デュオの声のトーンが一段高くなる。
わたしは涙に濡れた瞳で見上げながら、デュオの持つ携帯から聞こえる神藤社長の声を聞いていた。
「カルロくんだよ。彼に血を吸ってもらえば、花恋さんはヴァンパイアになれる。どうだい?今すぐにでも実行できるだろう?」
カルロが……!?
「……社長。少し、遅かったかもしれません」
デュオは力なく携帯を耳から離した。
携帯の電波の向こうから微かに神藤社長の声が聞こえる。
「…どうした?どういうことだ、デュオ!?」
その声がだんだん遠くなっていく。
わたしは、そのまま、意識を失った。