ヴァンパイア†KISS
そっと唇を離し、目を細めてシエルを見上げるルシア。
「どうするの?シエル。わたくしが、あなたのためなら命も惜しくないと言っているの。このままじゃ、ウルフを助けに行くこともできないわね」
生まれつきの気品と、気の強さを感じさせるような笑みで微笑む。
シエルは沈黙したまま、ルシアを見下ろしていた。
無表情のシエルは目を細め、唇をきゅっと締めると、太陽のような微笑を宿し、声を出して笑った。
「アハハ…!ルシア、僕もわがままだけど、君も相当だ。言うこと聞かないと離さないなんて、まるで子供だよね」
ルシアはそれを見て肩透かしをくらったようにシエルを離した。
シエルはそのまま腹を抱え、耐え切れないように笑いながらしゃがみこむ。
「シ、シエル!そんなに笑うことないでしょう!?」
ルシアは恥ずかしそうに顔を赤らめると、シエルに背を向けた。
シエルは笑うのをやめ、しゃがんだまま優しい笑顔で言った。
「…ありがとう」
思わず振り向いたルシアを見上げて続ける。
「君はやっぱり愛の強い女性だ。さすが、デュオ兄さんの妹だよ」
「シエル?」
ふわりと汚れのない顔で微笑みながらシエルがつぶやく。
「わかったよ、ルシア。君に死なれたら、デュオ兄さんに怒られるからね」
シエルは立ち上がり、胸に提げている金色の十字架をはずし手にとった。
「母さんと父さんの十字架。これをあなたたちの愛するカルロに託します。どうか、彼に力を貸してあげてください」
ベッドに眠るカルロの首にそっと十字架をかけ、シエルはカルロの金髪の柔らかい髪にそっと触れた。
「ずっと父さんと母さんを護ってくれてありがとう、カルロ」
傍らで、エイダが金色に光る十字架をじっと見つめ、「にゃぁあ」とひと鳴きした。
「行って来るよ、カルロ、ルシア……!」
「どうするの?シエル。わたくしが、あなたのためなら命も惜しくないと言っているの。このままじゃ、ウルフを助けに行くこともできないわね」
生まれつきの気品と、気の強さを感じさせるような笑みで微笑む。
シエルは沈黙したまま、ルシアを見下ろしていた。
無表情のシエルは目を細め、唇をきゅっと締めると、太陽のような微笑を宿し、声を出して笑った。
「アハハ…!ルシア、僕もわがままだけど、君も相当だ。言うこと聞かないと離さないなんて、まるで子供だよね」
ルシアはそれを見て肩透かしをくらったようにシエルを離した。
シエルはそのまま腹を抱え、耐え切れないように笑いながらしゃがみこむ。
「シ、シエル!そんなに笑うことないでしょう!?」
ルシアは恥ずかしそうに顔を赤らめると、シエルに背を向けた。
シエルは笑うのをやめ、しゃがんだまま優しい笑顔で言った。
「…ありがとう」
思わず振り向いたルシアを見上げて続ける。
「君はやっぱり愛の強い女性だ。さすが、デュオ兄さんの妹だよ」
「シエル?」
ふわりと汚れのない顔で微笑みながらシエルがつぶやく。
「わかったよ、ルシア。君に死なれたら、デュオ兄さんに怒られるからね」
シエルは立ち上がり、胸に提げている金色の十字架をはずし手にとった。
「母さんと父さんの十字架。これをあなたたちの愛するカルロに託します。どうか、彼に力を貸してあげてください」
ベッドに眠るカルロの首にそっと十字架をかけ、シエルはカルロの金髪の柔らかい髪にそっと触れた。
「ずっと父さんと母さんを護ってくれてありがとう、カルロ」
傍らで、エイダが金色に光る十字架をじっと見つめ、「にゃぁあ」とひと鳴きした。
「行って来るよ、カルロ、ルシア……!」