ヴァンパイア†KISS

100年の因縁

5階のダンスホールを出て上の階へと急ぐ。

5階から上は入り組んだ構造になっていた。

いや、オズワルドがわざとそうしたのだろう。

階段の入り口にはその存在を隠すように薄い壁が張られていて、なかなか上へ行く道を見つけられない。

薄い壁を見つけ、デュオたちが剣などで壁を破りながら上へと進む。

ようやく10階までたどり着いた時。

目の前にオズワルドやエマたちのいる屋上への螺旋階段の入り口が見えた。

オズワルドが指定した時間まで5分を切っている。

「デュオ、この上だよ!」

「ああ、急ごう」

わたしたち5人が螺旋階段に差しかかろうとした瞬間。

ヒュンという音が背後から迫ってきた。

ガキーーーーーン!!!

1本の剣が宙へと舞い上がる。

一番後ろにいたルドルフが剣を目の前にいる男に突きつけていた。

「ルドルフ!」

デュオが近寄ろうとしたその先に、

10人ほどの禍々しい気配が闇の中から現れた。

「ぐ……ひゅうううううう!!」

ルドルフによって首に剣を当てられている男が獣のような牙を突き出しながら言う。

「デュオ様、ここから先は行かせるわけにいきませぬ故…」

「お前達は…父についていた者たちか…」

闇の中、青の瞳があちこちから不気味な意志を向ける。

「ユーゴ様は獣にその身をやつしてしまわれました。我々は今、次の王となるオズワルド様に従うのみ」

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