ヴァンパイア†KISS
シエルが見やった方向に。
ウルフが何かに取りつかれたかのように目を見開きゆっくりと振り向く。
ウルフの目線の先に、彼は初めてエマを捕らえた。
彼は一瞬で胸の底から湧き上がって来る感情をその顔に集約させるように表情を変えた。
溢れる愛しさと、溢れる孤独。
「……くっ…!」
歯を食いしばるようにユラリと立ち上がる。
だが、100年眠り続けた体は、足を揺らつかせ、力なく倒れる。
彼は倒れてもなお、彼女から目を逸らさない。
ウルフは跪いたまま、声を限りにして叫んだ。
「………エマ――――!!!」
十字架に括られたエマは首から血を流し、風に金糸の髪を揺らすだけ。
エマ……お願い、気がついて!!
立ち込めるバイオレットの霧の中。
キン!という一際高い剣の響きあう音。
デュオが苦しげに顔を歪めながら自らの剣が宙に舞うのを見つめる。
その瞬間、オズワルドの剣がデュオのわき腹に突き刺さっていくのをわたしはスローモーションのように見ていた。
理事長に剣を突き立てられていることも忘れてわたしは叫んでいた。
「デュオ―――!!!」
ウルフが何かに取りつかれたかのように目を見開きゆっくりと振り向く。
ウルフの目線の先に、彼は初めてエマを捕らえた。
彼は一瞬で胸の底から湧き上がって来る感情をその顔に集約させるように表情を変えた。
溢れる愛しさと、溢れる孤独。
「……くっ…!」
歯を食いしばるようにユラリと立ち上がる。
だが、100年眠り続けた体は、足を揺らつかせ、力なく倒れる。
彼は倒れてもなお、彼女から目を逸らさない。
ウルフは跪いたまま、声を限りにして叫んだ。
「………エマ――――!!!」
十字架に括られたエマは首から血を流し、風に金糸の髪を揺らすだけ。
エマ……お願い、気がついて!!
立ち込めるバイオレットの霧の中。
キン!という一際高い剣の響きあう音。
デュオが苦しげに顔を歪めながら自らの剣が宙に舞うのを見つめる。
その瞬間、オズワルドの剣がデュオのわき腹に突き刺さっていくのをわたしはスローモーションのように見ていた。
理事長に剣を突き立てられていることも忘れてわたしは叫んでいた。
「デュオ―――!!!」