ヴァンパイア†KISS
そっと、そっと。

愛しい命に触れる。

柔らかいデュオの唇がわたしの舌を受け入れる。

金糸の髪がサラサラとデュオの顔に落ち、彼の顔を月から隠す。

愛しい、愛しい命。

お願い……瞳を開けて。

デュオの髪に手をうずめ、さらに唇を開き、深く舌を入れる。

「……ん…デュ…オ…!」

デュオは眠っているのに、彼の唇に触れるだけでエクスタシーを感じる。

強く激しいエクスタシーのエナジーが唇を通して、デュオへと流れていくのがわかる。

月よ……お願い。

もっともっと、わたしにエクスタシーを………!!



………トクン……!!

「!?」

触れていたデュオの胸で鼓動が高鳴ったのを感じた。

弱まっていた彼の心臓の鼓動が、ゆっくりゆっくりと力強く動き出していく。

わたしはデュオの胸に片耳を当て、その鼓動を聞いていた。

トクン…トクン…トクン……!!

「…デュオ…」

デュオの命が力強く動き出した……!!

その時、ふわりとわたしの頭を何かが包み込んだ。

胸から耳を離し、顔を上げる。

「……カレン…?」

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