ヴァンパイア†KISS
「デュオ、この十字架を…」

わたしは光を増していく十字架をそっとはずし、デュオの首にかけた。

「…カレン!これはだめだ。こんな大切なものはもらえない」

十字架をはずそうとするデュオの腕を押さえ、背伸びをし、デュオの唇に触れるだけの軽いキスをする。

「……カレン?」

目を見開いたままわたしを見下ろすデュオ。

「この十字架にはシエルの想いが詰まってるの。シエルならきっと、あなたを護ってくれる」

「カレン、それならなおさら君が…!」

「ううん、わたしにはシエルがくれた月の力がある。シエルならきっとわたしたちを護ってくれる。だからそれはデュオが持っていて」

強く、強く訴えかけるようにデュオを見つめる。

シエルの想いが、エマとウルフの想いがわたしの胸にこみ上げてくる。

その瞳をじっと見つめ、静かにデュオは答えた。

「わかったよ、カレン」

……ああ、そうだ。

これが、ヴァンパイアの強さだ。

色濃く気高い血がわたしの中に、目覚める。

たぎるように、わたしに愛を教える。



……エマ。

あなたから産み落とされて100年たってもなお……


エマのたぎるような愛が、わたしの中にある――――!!!

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