ヴァンパイア†KISS
………エマ!!

胸の中いっぱいにエマの想いが溢れてくる。

ああ、そうだ。

エマは100年間眠りながらずっと、娘のエヴァからわたしまで続く子孫たちに自分の思念を送り続けてきた。

今も……今も感じる。

エマの想いを。

ずっと、ずっと100年間変わることのなかったウルフへの想いを。

100年前のエマの想いが溢れてくる。

『ウルフ、キスして』

『君の願いなら、何度でも』

『ほんとうに?100年よ。100年たってもキスしてくれる?』

『100回でも、100年でも』

あの時のエマの想い。

ウルフがもうすぐ死ぬとわかっていながら100年の愛を誓ったエマ。

今やっと二人は再会できたのに。

またあの時と同じ想いだけはさせたくない……!!

エマの涙でいっぱいになった瞳を見つめる。

『愛してる…愛してる…ウルフ』

わかる。

あなたの気持ち、わかるよ、エマ。

わたしも、愛してるから。

デュオを愛してるから………。

どんな生物よりも最も濃いというヴァンパイアの血。

その血には、どんな生物よりも深い愛が流れてる。







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