ヴァンパイア†KISS


………ウルフ……。


愛しい人。

ごめんなさい。

死を選ぶわたしを、許して……。



あなたのもとに行けないなら、わたしは死を選びます。




な……に……?

これはいつかのエマさんの声。

プールの底へと落ちていく自分の髪が水にゆらゆらと揺れて金色に輝く。

金色に………?

ああ、そうか。

わたしはまた。

エマの意識と一体になっている。

美しい金糸の巻き毛。

これがエマの髪。

そして白く透けるような腕。

これがエマの腕。


エマの意識とわたしの意識が一体となって水の底へと落ちていく。

ここはプールじゃない。

エマは海に落ちたんだ。

そして青く澄んだ海の上の空を見上げると、愛しい人の名を呼んだ。


「ウルフ………」


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